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子授け地蔵 |
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●子授け地蔵
■爺ヶ峰・婆ヶ峰の伝説 昔筑波山と尾根続きの峠道を、巡礼姿の老夫婦が急ぎ足で通りかかった。日暮れも近く、夫婦は早く筑波の宿に着きたいと、はげまし合ってあるいていた。 ちょうど峠の中ほどにかかったとき、やぶの中から追いはぎがあらわれた。気丈なおじいさんは、おばあさんに包みを渡し、「おれにかまわないで早く筑波へ行って待っていろ。おれはこの野郎をたたき伏せてすぐに行くから。」と、杖をふりかぶって追いはぎに打ってかかった。追いはぎもたじたじだったが、しばらく争いが続くうち、おじいさんは力尽き、とうとう斬り殺されてしまった。追いはぎは、おじいさんの懐中をさぐって金を奪おうとしたが、金はまったく持っていなかった。「さてはおばあさんが持って逃げたか」と、血にぬれた刀を持ったまま、逃げて行くおばあさんを追いかけ、とうとう殺して金を奪ってしまった。 翌朝、村びとが老夫婦の死体を発見し、二人をねんごろに埋葬し、そのところを爺ヶ峰・婆ヶ峰と呼ぶようになった。 いまそこに、合わせて二○基ほどの石地蔵が立っている。子宝に恵まれない若夫婦が、この石地蔵を抱いて祈ると、かならず子どもが授かるという。また病弱な子は、祈願すればじょうぶに育つといわれる。 常陸の伝説(藤田 稔著)[第一法規出版株式会社昭和51年]
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